window of welfare
@たんぽぽ福祉作業所の紹介
障害を持つ人のほとんどは、学校卒業後の就職先などの”行き場所”がなく、どうしても自宅での生活になってしまいます。そんな中、平成3年4月に「どんなに障害が重くても、”人間らしく生きる場、生きがいとなる場”を作ろう」を合言葉に、たんぽぽ福祉作業所を開所しました。始めは、仲間の親たちが中心となって廃品回収を行い運営を支えていました。4年後には仲間も増え、愛媛県や宇和島市より補助金が貰えるようになりましたが、仲間の将来や親なき後の事を考えると、無認可の作業所では運営も不安定な事から、法人化を目指すことになりました。
法人格を取得するためには、莫大なお金や、自己所有の広い土地が必要であったりと、大きな壁が立ちはだかります。そのため、仲間の親が資金作りをするのですが思うようにはいかず、13年目の現在でも、無認可であることには変わりはありません。
現在、9名の仲間が通所していますが、その半数が重度や重複の障害を持っているため、作業での収入は少なく、仲間へ給料を支払うのがやっとという状況です。
また運営面では、親達がタオル製品などを作って販売し、その収益で支えていますが、親達も年齢を重ねるにつれ、その活動自体が難しくなっています。
仲間の作業については、7名は簡単な内職的なこと(企業の下請け作業)を行っています。他の2名については最重度であるため、機能訓練遊びを行っています。
また、作業や訓練だけでなく、その他の活動にも力をいれています。調理実習や買物学習を隔月で行ったり、宿泊学習や研修旅行、誕生会やスポーツ大会、ボランティア活動などを通じて、色々な体験をしています。
作業所での仲間の様子を見ていると、”たんぽぽ”が仲間達にとって必要な”場所”であることを実感させられます。真夏の暑い日や、真冬の寒い日でも歩いて通所してくる仲間は、入ってくるなり大きな声で気持ちよく挨拶をしてくれます。また、少し体調が悪くても「たんぽぽを休むのはイヤ!」と言って通所してくる仲間もいます。その他にも、家では静かなのに、たんぽぽでは楽しそうに話す仲間もいます。
仲間自身、本当は作業や訓練は好きではないのかもしれません。しかし、たんぽぽに来ることで、他の仲間や職員とのコミュニケーションが図れ、仲間の”本当の姿”が見れるのかもしれません。
これからは作業所の中にとどまることなく、地域の方と接していき、社会参加のきっかけを作ることで、障害を持つ人への偏見を少しでも減らすことができればと思っています。
健常者からすれば、障害者との接し方がわからないなどの理由から、一歩引いてしまうかもしれませんが、気軽に話しかけてみてください。きっと、彼らの”純粋な気持ち”が読み取れると思います。
A(無認可)小規模作業所
1970年代から、小規模作業所と呼ばれている障害者の働く場づくりの運動が、全国各地で続いています。無認可の小規模作業所が増え続けている背景には、福祉的就労の場である「授産施設」や「福祉工場」の絶対数の不足であったり、重度・重複障害者が、これらの施設に通所できるような制度が不十分なことがあげられます。
多くの小規模作業所は、プレハブの建物であったり、アパートなどの一室を借りて運営しているなど、劣悪な状況下にあります。これらの作業所に対して、国や地方自治体の補助金制度がありますが、地域格差があり、金額自体も十分ではありません。
全国でその補助金が一番多い県は(2001年)、滋賀県で年間1,990万円(知的・身体障害)となっています。次いで東京都の1,868万円となっており、他の都道府県の群を抜いています。たんぽぽ福祉作業所のある愛媛県は年間486万円となっています。
小規模作業所の利点は、重度や重複障害などに関係なく、すべての障害者に労働を保障していることや、社会福祉法人ほど厳しいきまりもなく、幅広い活動ができます。そして、地域に密着しているということも大きな利点といえます。
一般的に障害者は学校卒業後、就労先がみつからず、「家の人が帰るまで、テレビを見ているしかない」とか、「外に行きたいけど、一人では行けない」と、閉じこもりがちな生活になってしまいます。
しかし地域に小規模作業所があることで、「行き場」や「働く場」を得ることができ、そういった「場」を得た障害者は、たとえどんなに建物が貧弱で収入が少なくても、表情は明るく活気にあふれ、あたりまえの生活を送るためのスタートラインに立てるのです。
本来であれば、学校卒業後の「行き場」は公的に保障されるはずなのですが、現在の制度上では、十分な対応はできないのが現状です。その穴を埋めるために存在している小規模作業所は、障害者福祉にとって非常に重要な役割を果たしているといえます。